東北大学 大学院教育学研究科・教育学部

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News & Topics 東北大学「公正で持続可能な世界に向けた高等教育」に関する国際シンポジウムと高大連携交流会を開催

東北大学「公正で持続可能な世界に向けた高等教育」に関する国際シンポジウムと高大連携交流会を開催

2022.12.22

東北大学大学院教育学研究科は令和4年12月17日に「アジア太平洋地域における公正で持続可能な世界に向けた高等教育の変容」をテーマとした国際シンポジウム(対面・オンライン併用)を開催し,16カ国から106名の参加を得ました。

 

冒頭,佐々木理事・副学長(共創戦略・復興新生担当),グリーン未来創造機構長から当該テーマにおける本学の取り組みについて説明があり,続いてユネスコ・バンコク事務所(アジア太平洋地域を所管)のLibing Wang氏による基調講演が行われました。Wang氏からは持続可能な開発のための高等教育の背景・理念・動向が解説され,その変容に必要な包括的アプローチとパートナーシップの構築がいま必要とされている旨が強調されました。それに続く招待講演では,香港教育大学のJae Park氏,香港持続可能発展教育学院(ユネスコ関連機関)のTamara Savelyeva氏,中国清華大学のZhou Zhong氏,ノートルダム大学オーストラリアのSandra Wooltorton氏らから,各地における持続可能な世界に向けた高等教育に関する事例報告があり,学習者における価値変容に向けた取り組みや,学修成果を具体的な社会実装につなげる試み,歴史文化的な差別や格差の解消に向けた教育実践などの話題が提供されました。加えて,東京大学の北村友人氏とユネスコのWesley Teter氏を交えてのパネル討論およびフロアとの質疑応答では,これら講演内容を踏まえて,アジア太平洋地域の高等教育が今後向かうべき方向が議論されました。

 

翌18日には「未来の教育とユネスコ」をテーマとした若者中心の交流会を開催し,東北大学の学生10名に加え,宮城第一高校の生徒10名の参加を得ました。Wang氏による話題提供とファシリテーションの下,参加者は「未来の教育とユネスコの役割」と「国際機関でのキャリア形成」という2つのテーマについて討論しました。大学生からは「専門家との対面交流から,未来の教育とユネスコの役割に対する理解を深めることができた。」という感想を得ました。高校生からは「Wang先生には私の質問を丁寧に理解しようとしていただき,心に響くアドバイスも頂戴した。包摂的教育というキーワードが私の心に残った。」「早期出産のために教育を受けられない女性へのユネスコの支援について,Wang先生に直接質問をすることができ,詳しく答えていただいた。大学生の皆さんの流暢な英語に触れたことも収穫だった。これからも学びを継続していきたい。」という感想を得ました。

本シンポジウムおよび交流会は,教員・研究者だけでなく未来を担う大学生・高校生にとっても高等教育改革に向けた意識づけを共有するよい機会になりました。